工場・倉庫の地震対策|耐震診断の必要性と補強手順についてご紹介

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更新日時:2024年8月9日

日本が地震大国であるという事実は、あらゆる産業において無視できないものとなっています。とくに工場や倉庫のような施設は、大量の商品や資材を保管・製造しているため、製造や流通が止まるなどの影響を受けやすいのが実情です。

地震による被害は、単なる物的損害だけでなく、生産活動の停止や供給網の中断など、企業活動全体に多大な影響を与えかねません。さらに地震による倒壊や損傷は人々の命にも直結する重大な問題となります。

地震のリスクを軽減するには、工場や倉庫の耐震性を確保することが重要です。

本記事では、工場や倉庫の耐震診断の重要性や、耐震診断から補強までの基本的な手順などについて詳しく解説します。

センクシアでは耐震診断を実施しております。建物の耐震性に不安や問題がありましたら、現地調査から耐震診断、補強工事まで一貫してサポートいたしますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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工場・倉庫の耐震診断の必要性

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工場や倉庫は企業の重要な資産であり、多くの場合で企業活動の中核を担っています。地震によって損傷を受けた場合、経済的損失はもちろん、生産・物流の遅延や安全上のリスクが生じる恐れがあります。

したがって、工場や倉庫の耐震性を確認し、必要に応じて補強することは、企業の持続可能な運営を支える基盤といっても過言ではないでしょう。

耐震診断は、旧耐震基準で設計された建物の耐震性を専門的に評価し、構造的な弱点や改善点を明らかにするプロセスです。耐震診断によって、現状の建物が新耐震基準を満たしているか、どのような補強が必要なのかを知ることができます。

工場や倉庫が建てられた当時の図面が保存されてない場合でも、耐震診断は可能です。現地調査や過去の修繕履歴などをもとに、建物の耐震性を評価することができますので、図面がないからといって諦めることなく耐震診断を実施し、必要な耐震補強を行うことが推奨されます。

専門知識を持った技術者による正確かつ適切な耐震診断は、施設の安全性を高め、企業活動の安定をもたらします。

新耐震基準と旧耐震基準の違いについて


耐震基準とは、建築物や土木構築物を設計するときに、法令で要求される最低限の耐震性を保っていることを証明する基準です。建築基準法が制定された1950年以降、1971年・1981年・2000年の3度にわたり変更されており、1981年の改正を境に新耐震基準と旧耐震基準に分かれます。

新耐震基準と旧耐震基準の主な違いを解説します。

旧耐震基準は1950年から1981年まで運用されていました。新耐震基準は、旧耐震基準を引き継ぐ形で1981年6月から施行され、現在に至っています。

地震の強度に対する耐震性能は、旧耐震基準においては「震度5程度の地震で建物が倒壊しないこと」を条件にしていました。新耐震基準では、震度5程度の地震を受けても建築材の各部が損傷を受けないことを条件としています。

新耐震基準が定められた背景には、1978年に発生した宮城県沖地震があります。宮城県沖地震では、死者や重軽傷者、建物の全壊や半壊が相次ぎ、多大な被害が生じました。そこで宮城県沖地震を教訓として、より厳格な内容を持った新耐震基準が設定されました。

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耐震診断から耐震補強までの手順一覧

耐震診断から耐震補強までのプロセスは、大まかに以下のようになっています。

  • 事前調査
  • 耐震診断
  • 改修設計
  • 改修工事

その1事前調査

事前調査は、耐震診断を実施する前の重要なステップであり、以下のようなプロセスとなっています。

  1. お問い合わせ:電話やメールなどによりお問い合わせを受け付ける。
  2. ヒアリング:建物の設計図書の有無や、費用や期間などのご要望を確認し、耐震診断の必要性や内容を検討する。
  3. 診断方法の立案:ヒアリング内容をもとに、耐震診断方法を立案する。
  4. 見積・工程提案:耐震診断費用と工程を提案する。

また、耐震診断を行う前には、以下の点を予備調査として確認・検討することが重要です。

  • 建物の設計図書の有無の確認
  • 建物履歴の確認
  • 建物の概要(延床面積や竣工年など)
  • 建物の構造種別(RC造・WRC造など)
  • 建物の架構(ラーメン構造・壁式など)
  • 建物確認通知書の存在の有無
  • 検査済証の有無

一連の情報をもとに、耐震診断の必要性を検討し、耐震診断見積書を作成します。

その2耐震診断

耐震診断は、建物の耐震性能を評価するプロセスであり、専門家によって行われます。耐震診断を通して、建物の構造的な弱点や改善点を特定し、建物が現行の耐震基準を満たしているかを判定できます。

耐震診断の主な手順は、以下の通りです。

  1. 初期打合せ:設計担当者や図面担当者を交え、スケジュールや診断方法を話し合い共有する。診断方法を確認し、不足している情報を補うなど必要な準備を整える。
  2. 現地建物調査:図面との照合、敷地内および周辺状況の確認、外環調査や材料調査などを行う。図面がない場合には、過去の修繕記録や柱や壁などのサイズを調査し、図面の復元を行う。
  3. 耐震診断:予備調査と現地建物調査の結果をもとに、建物の耐震性能を評価したうえで、現在の耐震基準と比較して判定する。補強の必要性があると判断される場合は、概算の補強案を複数提案する。

地震リスクの高い地域において工場・倉庫の耐震診断を行うことは、建物の安全性を確保するだけでなく、人命や財産を守り、災害時でも製造や流通を止めずに消費者や社会全体への影響を最小限に抑えるためにも重要です。

診断の結果に基づいて、適切な耐震補強計画を建てることができ、耐震性を向上させることが可能となります。

その3改修設計・工事

耐震診断の結果に基づいて、改修設計と工事のプロセスが始まります。建物の耐震性能を向上させるための、具体的な設計と工事を行うプロセスです。

改修設計・工事のプロセスは、おおまかに以下の通りです。

  1. 改修方法の選定:要望や予算、スケジュールなどに基づいて改修方法を決める。
  2. 見積・工程提案:耐震改修設計と工程を提案する。
  3. 本契約:改修工事の方法が定まったら本契約を行う。
  4. 事前打合せ:改修設計担当者と図面担当者を交えて、スケジュールや改修方法を話し合う。
  5. 改修計画の立案:目標とする性能を満たすために必要な処置を導き出し、補強に必要な材料などを把握し具体的な計画を立案する。
  6. 設計とチェック:設計図書を作成し、問題がないかを管理者がチェックする。
  7. 改修設計の内容説明:最終的に決定した改修工事の内容を顧客に説明する。
  8. 改修工事:決定した内容に基づいて改修工事を行う。
改修設計から工事までプロセスは、専門家や資格を持った業者が進めることになります。しかし、依頼者側もある程度の知識を持っておくことが望ましいでしょう。知識を有していることで、認識に齟齬が生じている場合などに指摘することが可能となるからです。

耐震工事の対策方法について

耐震工事は、地震発生時の建物の安全性を向上させるための重要な対策です。 対策としてはさまざまな補強方法ありますが、主に以下のような方法が用いられます。

  • 構造材(柱や梁)の補強:建物の構造材を補強することで、地震の横揺れに対する耐性を向上させる。鉄筋コンクリートや鋼材を使用して、既存の構造材を補強する方法がある。
  • 壁の補強:建物の剛性を向上させ、構造体の変形を抑制する効果がある。地震の力を効果的に分散し、建物全体の耐震性能を向上させることが可能となる。
  • 基礎の補強:地盤と建物の間の接合部を強化し、基礎部分から建物全体の耐震性能を向上させることが可能となる。
  • 制振装置の設置:地震の際の振動を抑制し、建物の揺れを減少させるための装置を設置する。

建物の状況に応じて、上記のいずれか、あるいは複数を実施します。

また耐震工事が完成したら終わりではありません。定期的なメンテナンスや点検も、重要な要素です。構造材の劣化や損傷を早期に発見し、必要な修理や補強を行うことで、建物の安全性を長期的に確保できます。

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耐震診断、耐震補強ならセンクシアへおまかせください

地震は予期せぬタイミングで発生し、建物にとって致命的な影響を与える自然現象の一つです。とくに工場や倉庫などの建物は、災害時に製造や流通といった企業活動を止めずに消費者や社会全体への影響を最小限に抑える必要があり、地震リスクに対して適切な耐震性能を備えていることが求められます。

耐震診断は、建物の耐震性能を評価し、必要な補強措置を特定するプロセスであり、建物の安全性と企業活動の持続可能性を確保するためには欠かせません。適切な耐震診断を行うことで、地震発生時の人命リスクを軽減し、多くの損失を防ぐことにつながります。

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この記事の監修者

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センクシア株式会社 マーケティングチーム監修

1972年の創業から長年の実績で培われた技術とノウハウで、街の快適・安心・安全な暮らしを支え、豊かな社会の発展に取り組むセンクシア株式会社のマーケティングチームです。 フリーアクセスフロア・構造部材(ハイベース、ハイリングなど)・制震ダンパ・鉄骨造耐震補強の4つの事業を中心に情報インフラ産業や建築物を支える商品を提供しています。 業界をリードする先駆的な商品を生み出す企業として、商品を通じて社会課題の解決に役立つ情報をお届けすることを目指しています。

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