「ベアリングダイアベース工法」は鉄骨造建築物の埋込み柱脚(側柱・隅柱)に用いる補強工法であり、柱脚に基礎梁が取り付かない側のコンクリートの破壊を防止するために用いるU字形補強筋の代替として、ベアリングダイアベース(鋳鋼製のベースプレート及びダイアフラムと補強筋となるねじ節鉄筋が一体化された部材)を用いる工法です。
ベースプレート及びダイアフラム(鋳鋼製)と鋳包み鉄筋(補強筋となるねじ節鉄筋)を鋳包み鋳造法によって一体化した部材であり、鋳鋼部と鉄筋部のそれぞれで大臣認定を取得しています。
ダイアフラムには中央に貫通孔を設けており、鋼管(柱)内へのコンクリート充填が可能です。
ベースプレートには建方アンカーボルト用の孔が設けてあります。
ベアリングダイアベース工法では、補強筋の定着長さを確保するため、鋳包み鉄筋と延長鉄筋を現場で機械式継手により接合します。
・U字形補強筋と比較して配筋作業が容易
・現場での必要補強筋本数の確認や管理が容易
・機械式継手を使用するため、現場での溶接作業が不要
延長鉄筋、機械式継手(カプラー、継手用グラウト材、 ロックナット等)はお客様にてご準備ください。
ベアリングダイアベース工法では、補強筋(鋳包み鉄筋)はベースプレート及びダイアフラムの幅内に配置され、多重・多段配筋を行わないため、U字形補強筋と比較して、施工の煩雑さや埋込み部柱周りの過密配筋が軽減されます。また、基礎梁主筋との干渉も軽減されるため、基礎梁の拡幅を抑え、基礎のコンパクト化に寄与します。
ベアリングダイアベース工法は、材料について国土交通大臣認定(MSTL-0555、MSRB-0126)、工法についてベターリビング評定(CBL SS008-22)を取得しています。柱脚部の性能及び補強効果は実大実験による検証を実施しており、実験結果を基に既往の設計式※1、※2にて耐力評価が可能であることを確認しています。
※1:「2020年版建築物の構造関係技術基準解説書」
(国土交通省国土技術政策総合研究所、国立研究開発法人建築研究所 監修)
※2:「鋼構造接合部設計指針」(2021,日本建築学会)要
延長鉄筋、機械式継手(カプラー、継手用グラウト材、ロックナット等)、建方用アンカーボルトはお客様にてご準備ください。
延長鉄筋、機械式継手(カプラー、継手用グラウト材、ロックナット等)は共英製鋼(株)製のタフネジバーD41(SD490)に適用される製品以外は使用しないでください。
構成部品 | ダイアフラム | ベースプレート | 鋳包み鉄筋 |
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規格 | 国土交通大臣認定取得材※ (認定番号:MSTL-0555) |
国土交通大臣認定取得材※ (認定番号:MSRB-0126) |
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材質 | SQC490am | SQD490ky | |
呼び径 | - | D41 | |
基準強度(F値) | 325N/㎟ | 490N/㎟ |
側柱タイプ寸法票、隅柱タイプ寸法票はカタログにてご確認いただけます。
ベアリングダイアベースの鉄骨柱への取り付け、溶接施工一般、鋳包み鉄筋と延長鉄筋の接合についてはカタログにてご確認いただけます。
設計指針はカタログにてご確認いただけます。