全般について

ハイリングⅢ工法はどこが変わったのですか?

補強効果・施工性の更なる向上を追求し、補強金物を開発しました。

1.補強金物「SPスティック」を開発

ハイリングと補強金物SPスティックを併用し、補強効果の向上を実現しています。
また、SPスティックは小ばり・片持ばりにおいて単独で用いる事ができ、コスト削減に寄与します。

耐力図例
はり H -600×200×9×12
孔径 Φ300

2.溶接量の低減

各種実験・FEM解析の検討結果から、はりウェブとハイリング間、はりウェブとSPスティック間の必要溶接量を定め、在来工法よりも溶接量を大幅に低減できる製品形状に改良しました。
従来の添板補強による方法に比べて、貫通孔設置位置の自由度向上、溶接量の低減、工期短縮等が可能となります。
はり端部(塑性化領域)への貫通孔設置も可能です。(別途制限や検討が必要、S造:2ヶ所、SRC造:1ヶ所 設置可能)。
実大実験や解析をもとに(一財)日本建築センターの評定を取得していますので、貫通孔部の耐力評価が明確です。

(例)貫通孔1箇所あたりの溶接量
はりサイズ H700×300×13×24
貫通孔径 Φ300
在来工法 2PL-9×550×550
ハイリング 300Rまたは300R+S

ハイリングの材質は何ですか?

ハイリング

HFW490(鍛造品、SN490B同等)です。
HFW490に関しては建築基準法第37条第二号に基づく国土交通大臣認定を取得してます。
認定番号MSTL-0234、0515、0544、0548

SPスティック

HFW490rm(鍛造品、SN490B同等)です。
HFW490rmに関しては建築基準法第37条第二号に基づく国土交通大臣認定を取得してます。
認定番号MSTL-0451

ハイリングⅢ工法の安全性評価は?

実大実験やFEM解析をもとに(一財)日本建築センターの評定を取得しています。
BCJ評定-ST0095
日本建築学会大会でも研究成果を発表しています。

設計について

ハイリングを使用する際に検討は必要ですか?

ハイリング「適用範囲の確認」と「耐力検討」が必要です。
適用範囲(構造規定や納まり等)を確認後、ハイリングによる補強耐力が貫通孔部応力を上回るようにハイリング型式を決定する必要があります(全強設計ではありません)。
応力の算定は、構造計算結果または仮定条件(はりサイズ、はり内法長さ等から算定)により行います。
詳細はハイリングⅢ工法カタログをご覧ください。

検討には、専用プログラムをご用意しています。
https://www.senqcia.co.jp/download/soft/#anc-03
ハイリング型式の検討は当社にて無償サービスで承っています。最寄の支店・営業所にお問合せ下さい。

ハイリングとSPスティックの組み合わせはどのように決めていますか?

ハイリングⅢ工法では、ハイリング(Rタイプ、Bタイプ)とSPスティック(Sタイプ)を用いて、応力に対して適切な補強が可能です。

補強例

応力に対してRタイプ、Bタイプ、R+Sタイプ、Sタイプを使い分けることが可能です。
はりの種別により適用可能な型式が異なります。

大ばりの場合
大ばりの場合
小ばりの場合
小ばりの場合
適用型式 大ばり 小ばり 片持ばり
Rタイプ、Bタイプ
R+Sタイプ
Sタイプ ×

※Sタイプは小ばり・片持ばりにのみ適用できます。

Rタイプ 基本パターン ハイリングのみで補強(従来通り)
Bタイプ はり端部等応力が大きい貫通孔部 ハイリングのみで補強(従来通り)
Sタイプ 小ばり等応力が小さい貫通孔部 SPスティックで補強
R+Sタイプ はり端部等応力が大きい貫通孔部 ハイリングとSPスティック両方で補強

設計する際、どのような資料が用意されていますか?

カタログ
設計施工標準図
検討システム(専用プログラム)
認定書、評定書

貫通孔を連続して設置したい場合、どのくらい離せばいいですか?

S造、SRC造でそれぞれ以下の通りとなります。

1.S造の場合

  • 貫通孔中心の間隔P:1.5d以上(dは孔径、隣り合うハイリングの孔径が異なる場合は平均をdとする)
  • 補強金物同士の縁空きP':20㎜以上
  • フランジスプライスプレートとSPスティックの距離 G':0㎜以上
S造ピッチ規定

2.SRC造の場合

  • 貫通孔中心の間隔P:3d以上(dは孔径、隣り合うハイリングの孔径が異なる場合は平均をdとする)
  • ハイリング外径の縁空きP':20㎜以上
SRC造ピッチ規定

塑性化領域に複数のハイリングを設置できますか?
また、塑性化領域はどのように定義していますか?

塑性化領域へのハイリング適用はS造で2ヶ所、SRC造で1ヶ所となります。
ただし、S造で2ヶ所設置する場合は、2つの孔の合計をはり成の2/3以下とする必要があります。塑性化領域へこれ以上の孔を設置することは評定外となります。

また、ここでの塑性化領域とは柱面(はり端部)から0.1L以内と2D以内(L:はり内法長さ、D:はり成(SRCの場合はRCはり成))のどちらか大きい方の範囲を示します。
ただし、シアスパン比(L/D)6以下の場合は、0.1L以内と1D以内のどちらか大きい方となります。

設計上の理由等により塑性化領域がこれと異なる場合はお問い合わせください。

適用できるウエブの幅厚比は?

ウェブ幅厚比は95以下が適用範囲となります。

S造について

ただし、塑性化領域に設置する場合はFA、FBランクのみとなります。
95を超える幅厚比のはりへの設置や、FCランクで塑性化領域に設置する場合は評定外となります。
塑性化領域の範囲に関しては「Q:塑性化領域はどのように定義していますか?」をご覧下さい。

590N/㎟級の材質のはりには使えますか?

適用可能です。S造のみ、SRCは適用不可

ハイリングの評定取得範囲は、400N/㎟級、490N/㎟級、520N/㎟級、550N/㎟級、590N/㎟級の材質のはりとなります。

ブレースが付いているはりにも設置できますか?

ブレースが取り付く等はりに設計用軸力が生じる場合にも、ハイリングをご使用いただくことが可能になりました。補強パターンは2つあります。

パターン①:ハイリングのみで補強
パターン①:ハイリングのみで補強
パターン②:ハイリング+PLで補強
パターン②:ハイリング+PLで補強

詳細はカタログをご参照ください。

施工について

溶接はどこまですればよいのですか?

ハイリング・SPスティックには、それぞれ溶接目安となる段部を設けています。必要溶接高さa、a1(段部)以上の溶接が確保されれば耐力評価上問題ありません。

ハイリング溶接部
SPスティック溶接部

超音波探傷(UT)検査は必要ですか?

不要です。
溶接後の検査は、目視による外観検査となります。
一般的な外観目視に加え、ハイリング・SPスティック型式ごとの必要溶接高さ(段部、溶接目安)より上に溶接があることを確認していただきます。

溶接量はどのくらいですか?

型式ごとの溶接長の資料をご用意しています。
kenzai@senqcia.comまでお問い合わせ下さい。

メッキや耐火被覆に何か制限はありますか?

ハイリングの材質はSN490B同等ですので、通常ははりと同じ処理方法で問題ありません。
ただしメッキ加工する場合、施工方法と適用型式に注意が必要です。

スプライスプレートやガセットプレートは、どのくらい離せばいいですか?

補強金物からの縁空きGが20㎜以上必要です。

縁空き規定

SPスティックはどの位置に取り付ければいいですか?

SPスティックははりのフランジからの距離がフィレット半径以上、25㎜以下の範囲となるよう設置して下さい。このとき下孔径までの間隔がSPスティックの溶接高さの2倍以上離れている必要があります。
また、SPスティックと貫通孔の中心が一致するように設置して下さい。

高さの納まり適用範囲

※偏心量(e)を計算することで下記の規定を満足できます。

貫通孔・SPスティック中心

凡例

tf:はりフランジ厚

rf:フィレット部半径
(ビルトHはりの場合は脚長)

d3:ハイリング外径

a1:SPスティック溶接高さ

S:SPスティック高さ

r1:rf+5㎜以上
(ハイリング外径~はりフランジまでの間隔)

r2:rf以上25㎜以下
(SPスティック端~はりフランジまでの間隔)

r3:2a1㎜以上
(SPスティック端~下孔径までの間隔)

建設現場で取り付けてもいいですか?

ハイリング、SPスティックは下向き溶接で取り付ける必要があります。
建方後のはりへの取付け等で下向き溶接にて施工できない場合は使用をご遠慮下さい。

ハイリング溶接後、同サイズの鉄管をハイリングに溶接することは可能ですか?

可能です。
在来補強工法と同様、490材としてお取り扱いいただいて問題ありません。
ただし工場溶接の場合、輸送効率が悪くなる場合があるためご注意ください。

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